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レポート&コラム
2019/10/02
ラオス・ビエンチャンを訪問 ビエンチャン レポート
中部リサイクル運動市民の会では、名古屋でのごみ減量の経験を活かし、ラオスの首都、ビエンチャンで、住民主体のリサイクル活動をお手伝いすることになりました。(この活動は、JICA(国際協力機構)の草の根技術協力事業(支援型)として実施される予定です)
そこで、2019年7月にビエンチャンを訪れ、JICAラオス事務所やカウンターパートとなるVCOMS(ビエンチャン都管理局)、国際NGOを所管する外務省などを訪問しました。
中部リサイクルがラオスとつながることになったきっかけは、5年程前から当会がJICA(国際協力機構)から受託している廃棄物管理研修です。この研修は、開発途上国の行政官が日本に約1ヵ月滞在し、日本のごみ処理やリサイクルについて学ぶものです。この研修にラオスからの参加者がいて、その方とのご縁で、ビエンチャンにおけるリサイクル活動のプロジェクトが企画されました。
ラオスの首都であるビエンチャン都の人口は約80万人。毎日350トンから650トンのごみが発生されていると推定されています。ビエンチャンの中心部ではごみの回収が行われていますが、中心部以外ではごみの回収は行われていません。ごみの回収のない地域では、ごみは野焼きされたり、川に捨てられたりしているそうです。
基本的にごみの分別収集は行われていませんが、ごみ回収作業員が回収作業中にごみの中から資源ごみを抜き出し、それらを市中にある資源ごみ買取所に売却しています。そして、驚くことにその売却益は作業員のポケットに。ラオスのごみ回収作業員の給料は非常に安く、給料だけでは生活できないため、こうした活動が黙認されているそうです。ビエンチャン郊外の最終処分場には約200名(26世帯)のウェイストピッカー(Waste Picker:ごみを拾う人)がいて、ごみの中から抜き取った資源ごみを最終処分場の脇にある買取所に売って生計を立てています。
ごみ回収作業員やウェイストピッカーが資源ごみを抜いてリサイクルに回しているとはいえ、やはりごみの中から資源ごみを抜いているためリサイクル率は悪く、多くの資源ごみが最終処分場に積み重ねられていました。このように、ビエンチャンでは制度的なリサイクルが行われていないため、ごみは増え続け、最終処分場の寿命は残りわずか。リサイクルを進め、ごみをできる限り減らす必要に迫られているのです。
中部リサイクル運動市民の会では今後、ビエンチャンの8つのモデル村において、コミュニティーの皆さんが集団資源回収の仕組みをつくるお手伝いをしてきます。今後、カウンターパートとの調整、ラオス政府やJICAとの契約手続きを行い、プロジェクトの開始は2020年度になる予定です。今後のビエンチャン住民の活躍にどうぞご期待ください。(担当:和喜田)