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代表メッセージ

3.11を通じて思うこと

2011年8月  共同代表 永田秀和・和喜田恵介

今回の東日本大震災の影響で、福島原子力発電所は制御不能の事態に陥り、大量の放射性物質が放出されました。周辺に暮らす人々や現場作業員の方々のご不安や被られた健康被害のことを考えると、悲しみや怒り、そして自分自身に対する情けなさがない交ぜになって、暗く重い気持ちになります。
「これからどう生きていくか」。その問いの答えをいろいろと考え続けた結果、私たちは以下のようなことを心に留めて、活動していきたいと考えています。

世界と、未来と、つながっていること
私たちは今回、福島という地域が日本全国、さらには世界中とつながっていることを、これ以上ないほどの実感を伴って知ることとなりました。福島原発から放出された放射性物質は、日本国内に留まらず、欧米でも観測されています。今回の事故による健康被害は将来に渡って人々を苦しめ、汚染された自然が簡単に元通りになることはありません。
このように、私たちは地理的、時間的なつながりの中で暮らしていて、一部のほころびが全体に、そして未来に影響を及ぼすことを、改めて心に刻む必要があります。

加害者であるということ
今回の事故の直接の責任は国や電力会社にあることは間違いなく、そのことに対する清算がきちんと行われるのか注視していく必要があります。しかし、原子力中心のエネルギー政策が国策として進められてきた以上、この状況に至ることを許したのは、私たち有権者一人ひとりです。
私たちはごみ問題に対してそうであったように、自分たちが“加害者”である認識を原点に、この地域のエネルギーのあり方を考えていく必要があると思っています。国や電力会社を批判することに止まらず、自らも反省した上で、この地域にどんな電力会社を創り、どんなエネルギー社会にしたいのかを考えていきたいのです。

自ら考え、行動する勇気を
今回の事故で、専門家や利害関係者だけに判断を委ねることがどれほど危険なことかを思い知らされました。このことはエネルギー政策だけでなく、ごみ問題、遺伝子組み換え問題など、さまざまな社会的課題に当てはまることです。
人任せにできないのであれば、私たちは自ら学び、考え、行動していかないといけません。専門的な部分は理解できなくても、素人なりに真摯に問題を把握し、自分の信念に基づいて判断すればいいのです。
こういうと何だか大変なことのように感じられるかもしれませんが、同じ志をもつ仲間が集い、お互いに学び合えば、決してできないことではありませんし、それこそが市民活動の醍醐味ではないでしょうか。

3.11の後、数多くの人々が被災された方に対して募金や物資提供などを行い、現地でのボランティア活動に参加しました。ドイツでは計25万人が脱原発のデモに参加し、名古屋では18歳の高校生が「ハートのあるエネルギーへのシフト」を訴えてパレードを呼びかけました。
市民一人ひとりの自発的な行動がうねりとなって、この地域を持続可能な方向にシフトさせようとしています。福島の経験は決して無駄にはできません。ぜひ一緒に行動しましょう !

(2010年度活動報告書掲載文 / 2011年5月発行)